散歩に行こうよ♪

舞台関連過多の、つぶやき、妄想ブログです。かなり偏ってますので合わないと思われる方は、はいまわれ右!

今頃ですが(^^;)

5月はたくさん舞台を見る機会に恵まれました。
・・・って今はもう6月ですけど(笑)

ちょっとづつ消化し始めているので←やっと?
ぼちぼち感想を出してこうかと。ええ。
前半一番の容量を持ってかれた舞台から。



四谷怪談(Bチーム)


怪談じゃなくて人のお話
四谷怪談、忠臣蔵、北九州の通電監禁事件。
三つの世界が交錯して、紡ぎあげられるストーリー。


四谷怪談と忠臣蔵は、鶴屋南北が書いた戯曲の部分。当時の時事ネタ、赤穂藩士の吉良邸討ち入りと、創作としての四谷怪談をミックスさせて上演したスタイルを踏襲して、時事ネタであるところの「北九州通電監禁事件」とフィクションの「四谷+忠臣蔵」を織り交ぜたのが今回の西田さん(演出)の挑戦だったのだとか。ちなみに再演です。


物語は3枚のカードを受け取るところから始まります。
一枚はお岩。一枚は伊右衛門。最後の一枚は・・・・自分。
「あなたは誰を演じますか?」というナビゲーターの問いかけで幕が開くのです。
キーになるのは北九州の生き残りである少女と大石家の娘であるくう。
この二人が重なるように二つの世界をつないでいきます。


と、イントロはこんな感じだったんですが。
あらすじ書いてもなんなので、感想を少しばかり書こうかと思います。
・・・・無駄に長いので、畳んでおきます(^^;)



最初、この演目を観た感想は「後味が悪い」ということでした。
時代劇部分は物語として感情移入もできるし、見ごたえのあるお芝居だったのですけど、現代版の北九州部分はどうにも居心地が悪い。
ニュースの実録何とか、という検証番組を見ているような、そんな感じ。
なんだかリアルすぎて、行為がではなくて世界が近すぎるからか、ダメージを食らう。
時代劇部分とのギャップが、最初は違和感を覚えてすわりが悪かったのかも。
時代劇部分は文句なくきれいで残酷な世界でした。


幸薄そうなお岩と、好きなのに(好きだから?)嫉妬にからめとられていく伊右衛門
伊右衛門の上司になる大石内蔵助と、幼馴染の清水一学。
それぞれ過去現在にお岩に係わりのある男です。
お岩は3人の男に惚れられますが、選んだのはどうしようもない伊右衛門

ただ伊右衛門はそれがわかっていなかったのか、それともわかった上でか、嫉妬心から大石を殺したいと思い画策するのです。いろいろと。
それに引っかかったのが大石の主君であるところの浅野さん。
結構ゲスいお人でした。
いわゆる松の廊下につながるエピソードになるのだけれど、伊右衛門のたくらみの結果、浅野は吉良を斬ることを決めてしまうわけです。

「吉良を斬る」と浅野が家臣に伝えるシーン。
ここの大石の佇まいがピリッとしていてすごく美しかった。

「藩士の命の重さをどう考えているか」と主君である浅野に問うのですが、浅野がただのゲスいやつじゃないと思わせるのは「共の命」と言い切ったこと。
ただそのうえで「吉良は切る」と決めてしまったので、大石としては覚悟を決める。そんなシーンでした。

堀部あたりは、それまでのいきさつを知らないので、吉良方にメンツをつぶされたままではいられないと息巻いてまして、命をかけても武士としての矜持が重要だと、真っ向から大石とぶつかるんですよ。生き恥はさらしたくないって。時代劇で一番厄介なやつ。

結局史実にある通り、吉良を討つために有志(46人)で行くこととなります。


一方大石の奥さん、りくさん。
この人もまたいろいろ画策してます。
旦那に外で産ませた(と思いこまされている)子を育てさせられてたり、それがお岩の子だって知らされちゃったり、いろいろありまして、伊右衛門とグルになって毒薬を手に入れます。
それを自分の生んだ娘(りくからしたらなさぬ仲の子)の手でお岩に飲ませようと。

女の復讐は怖いです。


わが子のため、愛する男のため、最終的にお岩はその薬をあおってえらいことになります。
伊右衛門はそのお岩の姿を見て逃げちゃうし、なんというか、ほんとにダメ男ですよね。

そんな伊右衛門も大石にあおられて、吉良邸討ち入りに参加(47人目)して斬られてしまい、それを探しに来た岩も大石の手で斬られます。夫婦仲良く最後を迎えることになるんです。


最終的に大石の守りたかったもの、りくと娘たちは安全を確保され、脅かしていたものは討ち入りの混乱の中すべてかたずけられたことになり、大石的には憂いなし、な結末になると。


伊右衛門の画策も成就しますしね。大石は腹を切ることになるので。


最後に大石が最愛の娘くうに言うんです。
「人はね、人を好きになるから生きてゆける。恋をしなさい。」


この台詞、AキャスとBキャスでだいぶ印象が違いましたね~。
もちろんWキャストなんでそれぞれの大石さんの色があるんですけど、ここは際立って違っていたような気がします。



勝手なイメージで、圭ちゃんは静かな澄んだ感じ。
谷口さんは秘めた思いが燃えている感じ。


観る前はそう思っていたんですけど、ま~見事に裏切られました。
役者さんって!




止めたかった。でも止められなかった。
というのと
償わなければやり直せない。

これが北九州につながるらしいのですが、それを理解するまでには至らなかったなぁ。と。
再再演があれば、あるいはわかるかもしれないですけどね。


なんにせよ、これは自分の中で観てよかったというより「観るべき物語」だった気がします。
重かったけどね(^^;)
今もぐるぐる考えてることがあって、そういう意味ではこの「四谷怪談」に囚われているんでしょうねぇ。それも面白いんですけどね。


今後も不定期に感想をぶっこんでいくのではないかと思われます。


よろしければまた読んでやってください。


では。